私は人妻の魅力に気づいた、いえ、気づかされたのは、定期的にうちまで夕飯を持ってきてくれる隣に住むユウコ(仮)さんです。
1人暮らしである私に定期的に、夕飯のあまりモノを持ってきてくれるのです。
出会ったきっかけは近所のスーパーへ行ったときだった。この頃はただの顔見知り程度、朝ゴミを出すときに数回出会った程度の人だった。
ユウコさんが二つの缶詰を持って難しい顔をしながら、どちらにしようか迷っているようでした。
別に声を掛けるほど親しいわけでも無かった私はあまり顔を見ないように、サバ缶を手に取った。
「あれ? ○○さん、ですよね?」
「え? まぁ、はい……」
しまった、という思うのと同時に驚いた。
一度も名前を言ったことがないのに、ユウコさんは覚えていたのだ。
「お買い物ですか?」
「えぇ、まぁ……」
「あっ、そうだ、○○さんはどちらが良いと思います? このツナ缶」
本当にどうでも良かったのと、この何か気まずい雰囲気から抜け出したかった私は適当に
「そっちの方がいいと思いますけど」と言った。
そう言うと、ユウコさんは「あー、やっぱりこっちよね」と言って私が選んだ方をかごの中に
入れた。
失礼します、と軽く会釈をして通り過ぎようとしたときだった。
「○○さんって1人暮らししてるんでしょ? 色々大変なんじゃない?」
ユウコさんの視線が私の持った買い物カゴへ向く。
カゴの中身はカップラーメンやスナック菓子、そしてサバ缶。もろに1人暮らし臭のする品だった。
私が苦笑いをしながらユウコさんへ目をやると、ユウコさんはにっこりと笑みを浮かべていた。
「ふふふ、もし良かったら今晩うちでどうです?」
と、夕飯に誘われた。
ユウコさんちの旦那さんは単身赴任らしく、家には3歳娘さんしかいないらしくて食卓は寂しいものだったらしい。その日は断るのも気が引けたので、お言葉に甘えることに。
その日を境にユウコさんがうちに夕飯を持ってくるようになった。
たまに娘さんと一緒にやってきて、うちのキッチンで夕飯を作ってくれたりする。
あれか、結婚したらこんな感じなのか、と想像してしまう。